きつねのコンちゃんは、サンタさんが来るのを楽しみにしていました。でも、コンちゃんはまだ小さいので、カレンダーがわかりません。数字もまだわからないからです。
そこで毎日、ママに「サンタさんはいつくるの?」と聞いていました。
「あと20回寝たら来るよ」と言われました。
コンちゃんは早く20回寝たいなと思っていましたが、夜が来るのはとても遅くて、なかなか寝る時間になりません。そこでコンちゃんは時計の針を動かして、夜にしてしまいました。でも、すぐにママに見つかり、もとの時間に戻されてしまいました。
コンちゃんは諦めていませんでした。今度は、外に出て太陽さんにお願いしました。
「おーい たいようさん、たいようさん。今日は早く寝たいんだ。だから、ちょっと早く動いて早く夜にしてくれない?」
太陽さんは答えました。「だめだめ。僕は自分では動けないんだ。だから早く夜にはできないよ」
コンちゃんはとても悲しくなりました。それでもコンちゃんは早くサンタさんにきて欲しかったので、諦めませんでした。
そして、お月様に会いにいくと「おーい おつきさま、おつきさま。今日は早く寝たいんだ。だから、ちょっと早く夜にしてくれない?」と聞きました。
お月様は優しい声で答えました。「それは無理だよ。太陽さんがいる時は夜にはできないんだ。ごめんね」
また、コンちゃんはとても悲しくなりました。それでもコンちゃんは早くサンタさんにきて欲しかったので、諦めませんでした。
次にコンちゃんが住む街で一番賢いフクロウのおじいちゃんに、どうしたらいいか聞きに行くことにしました。
「フクロウのおじいちゃん、どうやったら早く夜が来るのか教えてくれない?どうしても早くサンタさんが来る日になって欲しいんだ」
フクロウのおじいちゃんは「ん〜難しいね。時間は変わらないからね。でも、楽しいことをしていると、時間は早く過ぎていくように感じるよ。逆に嫌なことをしているときは時間が長く感じるだろう。」と答えました。
コンちゃんはよく分かりませんでしたが、「楽しいことをすればいいんだね!ありがとう」とフクロウのおじいちゃんにお礼を伝えて、帰ってきました。
コンちゃんは楽しいことは何かなと考えました。今はサンタさんが来る日が楽しみ過ぎて、他の楽しいことがなかなか浮かびません。外で遊ぶのもお家の中で遊ぶのも、なんだか楽しい気分になれませんでした。だって何して遊んでいても、サンタさんの事ばかり考えてしまうんですから。そこでサンタさんが来る日のために家中を飾り付けることにしました。
まずは折り紙を切って、長い長いリボンを作りました。リボンをお家の壁に飾りました。次にお花を沢山作りました。ピンクに黄色、赤や青と色とりどりのお花を作り飾りました。家中が綺麗に飾り付けられた頃、もう寝る時間になっていました。コンちゃんはフクロウのおじいちゃんが言ったことはほんとだったと喜びました。
次の日、コンちゃんは朝起きてすぐに楽しいことを探します。そこで今日はお家の外を飾り付けることにしました。サンタさんがきた時に一番最初に目にする場所だと思ったからです。
コンちゃんは折り紙で飾りを作ろうと思いましたが、雨で濡れてしまったら全て流されてしまいます。なのでお芋のツルやドングリ、松ぼっくりと色々な木の実を集めました。お芋のツルをクルクルと玄関やお庭の塀に巻き付けました。巻きつけたお芋のツルに、木の実をつけてキレイに飾り付けました。
お家の外がキレイに飾り付けられると、あっという間にもう寝る時間です。
コンちゃんは毎日毎日、色んな場所を飾り付けしてもう飾り付けする場所が無くなった頃、ママに聞きました。
「サンタさんはいつくるの?」
ママは「明日来るよ」と答えました。
毎日サンタさんのことを思って飾り付けしているうちにコンちゃんは何回も夜を迎えていたのです。コンちゃんは明日サンタさんが来ることを知り、嬉しくなりました。
でも、今はまだ朝です。早く夜が来ないかなと時計ばかり見ていますが、なかなか時間は進みません。楽しいことを見つけなくっちゃと思いながら色々考えてみますが、なかなかいいアイディアも思いうかばす、今日は楽しいことを探すのも難しそうでした。
そんな時、ママがクリスマスケーキを作り始めました。コンちゃんはママのお手伝いをすることにしました。クリスマスのケーキやお料理を作るのが楽しくなってきました。
コンちゃんは今日も楽しみを見つけることができました。
夜にはクリスマスパーティを楽しみ、楽しい時間が終わる頃にはもう寝る時間です。今夜はコンちゃんが待ちに待ったサンタさんが来る日。コンちゃんが何日もかけて飾ったお家は見てくれるかな?喜んでくれるかな?なんて考えながら、
コンちゃんは枕元に大きな靴下を飾ります。そして飾った靴下を眺めながら、サンタさんが来るのを楽しみに眠りました。
次の日の朝目を覚ますと、コンちゃんは一番に靴下の中を覗きました。靴下の中にはサンタさんからのプレゼントが入っていました。
サンタさんがちゃんと来てくれたと、コンちゃんはとても嬉しくなり、ママのもとに走って行きました。ママにおはようと言う前に
「ママ、サンタさんが来てくれたよ!」と言いました。
「おはよう。よかったね」とママも一緒に喜んでくれました。
コンちゃんはずっと待っていたサンタさんが来てくれて、幸せなクリスマスを過ごしました。
終わり

